あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
「友芽…」
「ん?」
「もし、うまく行かなかったら…戻って来いよ」
「ありがとう…」
「そんな嬉しそうな顔するな。
また、あいつにやった訳じゃない…」
「ん…」
志賀くんの家が見えて来た。
「ありがとう…ここでいい」
「友芽…」
ドアを開けようとしたら、抱きしめられた。早坂さんが、最後だからと唇を重ねてきた。
「友芽…気が変わったりしないか…待て、まだ行くな」
「ん…」
「やつに相手にされなかったら…」
「その時、考える」
「じゃ、行くね」
私は、早坂さんの方を振り返らずに、志賀くんの所に向かってまっすぐ歩いた。