あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
『君は俺には、もったいない』
断られるとき、これでもう終わりだっていう時、よくそういわれる。
顔から涙が一滴落ちた。
本当は、君なんか必要ないって…
ちょっと、目立ってて興味があっただけ…
付き合ってみたけど、案外普通だったな。
「もう…いい。よくわかった。
あなた、私の事好きじゃないんだ」
「友芽」
「もう、2度とこんなことしない」
私は、ゆっくりと起き上がり、
乱れた服を直した。
これだけしても…ダメだったんだ。
これで、きっぱり諦めがつく。
ヨレヨレと立ち上がった私に、
志賀くんが声をかけてくれたが、
私には何も聞こえなかった。
もう何も未練はない。
早くこの場所を出て、前に進むだけ…
靴を履いて、
お世話になりましたと頭を下げた。
志賀くんは、追いかけて来なかった。