あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
「友芽出て行くな。一緒に住もう。俺…友芽がいない家には帰りたくない」
彼の手は、私の頭をしっかり捕まえて口を塞いでいる。
志賀くん、それじゃ返事できない…
「志賀くん!ちょっと!離して!!本当に恥ずかしいってば」
「返事は?まだ?“はい”って言うまで、いつまでも続けるよ」
あの志賀くん?
どうしちゃったの?
―お兄さん、ちゃんとプロポーズしろよ!!
いつのまにか、通りがかりの人に、野次を飛ばされる。
「もちろんそのつもり」
―だってよ、彼女がうんって、言うまでそうしてろ。お兄ちゃん、俺たちが証人になってやるから
「志賀くん…わかった。分かったから、もう止めて…」
「それ、OKってこと友芽?」
「受けるから…プロポーズは後でちゃんとして」
「いいのか?友芽?やった!」
「だから…」もう…こんなところで止めてといってるのに。