あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
終章 君を溺れさせるほど愛したい
週末、志賀くんの家に私の必要な荷物を運び込んだ。
アパートに残したままになっていた荷物や家具は、ほとんど処分した。
私は、少しでも早く、志賀くんの家族に、連絡して欲しかったけど、彼に連絡した?と尋ねても、
「うん、メールは送ったよ」
と、返事を返してくるだけで、真剣に伝えてくれない。
そろそろ私の方から連絡を取った方がいいと思い始めていた。
志賀くんの両親に、挨拶も済んでいないのに、一緒に住むのは順番が逆になってる。
と積みあがるダンボールを見て思う。
そんな私の心配をよそに、
「まだ、信じられないな。友芽が俺のとこにいるなんて」志賀くんは段ボール箱を置き、私の腰に腕を回しながら真顔でそんな感想をもらす。
素直に私の言葉を信じてくれたら、あの日の夜に、私の気持ちは決まってた。
何日遠回りしたのよ、と心の中でつぶやく。