あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
「本当にいいの?」
志賀くん家に置いてもらえるのは、
本当にありがたかった。
でも、その分、志賀くんには迷惑かける。
それ以上に、
何でそこまでしてくれるのか分からないし。
志賀くんは、運転席から
私の方をちらっと見た。
「木原、部屋に入るだけで、震えてただろ?」
「うん…」
心配することは、他にもあった。
誰があんなことしたのか、
見当もつかない。
私は、いろんなことで頭が一杯で、わけが分からなくなってるのに。
ああ志賀君、私の事、ちゃんと見ててくれたんだ。
口数は少ないけど、何も考えてないわけじゃない。
彼は私のこと本当によく見ていてくれる。
私は、外見が派手だと見られて、
男性との付き合いも派手だと思われてる。
だから言い寄れば、誰でも受け入れると、
男の人によく誤解される。
知らないうちに、一方的に思いを寄せられ、
突然追いかけられたり、
しつこく電話をかけて来られたり、そんなことがよくある。