あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
「どうかしたの?」
関口さんが、横からのぞき込んだ。
「ごめんなさい。何でしたっけ?」
ぼんやりしていたのを、指摘されて私は、慌てて顔をあげた。
「ごめんね、びっくりさせて。とくに、用事は無いんだけど…どうしたのかなと思って」
いけない。パソコンにデータを入力してたのに、手が止まってた。
同じ文字がずっと並んで入力されてる。
「すみません…ぼうっとしてしまって…」
関口さんに見られちゃった。+
「ねえ、友芽ちゃん、お昼一緒に食べようか?私、今日はお弁当じゃないんだ」
「はい」
お昼は、関口さんが前に通っていた店に行ってみようということになった。
関口さんとオフィスを出て、一緒に歩いてく。
「まだ、やってるかな?」
関口さんが、この辺かなという辺りを見回した。
「あっ、あれじゃないですか?赤い屋根のお店」