あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
「ん…」
『直接、受け付けてくれないなら、食べ物から頑張ってみたら?好きなものなら、食べてくれるわよ』
関口さんにそう言われて、会社を出る頃には、メニューまで聞き出してくれた。
「大丈夫だった?口にあったかな」
「ああ…ちょっと、薄味だけど。大丈夫だよ」
本当に?次も食べてくれるかな
「それ好き?」
「ん…」
私のことも好き?
今みたいに…ん、って一言でいいから言ってくれないかな。
「友芽…お前、毎日こんなことしなくていいぞ。夕食ならたべてくるから」
「あっ…えっと」
彼が背中向いていて、よかった。
ぽろっと涙がこぼれたの見られなかった。
「そう…ごめん。余計なことしたね」
美味しくなかったのかな。
味薄いって言ってたもんね。
食事を作ってあげるのも、ダメなの?
関口さん、私もう、心が折れそう。