あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
意味のない、勧誘の電話が2件。

最後のメッセージを聞いて、メモするために手に持っていたペンを床に落とした。



ー木原友芽ちゃんだね。驚かせてごめんね。



友芽ちゃんが、男と別れたって聞いてすぐに会いに行ったけど、僕だって分かったかな。
友芽ちゃんの部屋でずっと待ってたのに…どうして帰ってこなかったの?
遅くて待ちきれなかった。

でも、ランドリーにあった友芽ちゃんのもの、たくさんもらって帰ったから。
友芽ちゃんって本当にいい匂いするんだね。本物を味わうのが楽しみだな。また、会おうね。




気分が悪くなって、トイレで今食べたばかりのものを戻した。
やっぱり、ここは危険だ。私の名前も、会社も、電話番号もみんな知られてる。

早くここを出よう…

バッグを持って立ち上がった時に、また、電話がなった。

私は、受話器を取った。取らなきゃよかった。




ー友芽ちゃん。やっと出てくれた。君の部屋に明かりがついている


声を出しそうになって、ぐっとこらえる。



ーさっき、生の友芽ちゃんに、コンビニであったよ。白のコットンの下着を買ったよね。僕も同じものを買ったよ。僕は、もっと可愛いのが好みだから、後ではかせてあげるね。友芽ちゃんの部屋、ここからよく見えるよ。カーテン越しに君の姿が見える。

でも、君は、いけない子だね。
僕と会う前に新しい彼を作って…でも、まあ、関係ないけど。
友芽ちゃんは、とっくに僕のものだから…




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