あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
私は、早坂さんの部屋のリビングのソファに膝を抱えて座っていた。
早坂さんが、いただきもののブランデーを少し入れた紅茶を作ってくれる。それを少しずつ飲むのが好きだった。
「早坂さんって、相手が好きだからって理由で、手を出さないってことある?」
私は、紅茶のカップを手にしながら言う。
早坂さんは、私の気持ちがどこにあるか、察しがついたみたいで、深くため息をついた。
「他の女なら、あるかもしれないな。でも友芽には無理だ」
私は、そういう対象にならないってこと?
今まで付き合って欲しいって言って来た、相手はみんなそう。
手に入れたいと思うのは、目に見えるところだけ。
本当に心まで欲しいと思ってくれたのか、疑わしい。
「好きだから、大切だから、すぐには手を出さないってことはないの?」
早坂さんは、私の横に座った。
「お互い好意を寄せてるのに、盛り上がっていて手を出さないのって、何の意味がある?そんなことしたら、そもそも女性にも失礼だ」
早坂さんの腕が背中に回る。