あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
「早坂さん、本当に止めて…嫌」
私は、身をよじって抵抗した。
「無理だ…止まらない…
俺、友芽じゃなきゃダメだった。
友芽より、いい女なんか…簡単には見つからない。なあ、あいつ、お前のことなんかなんとも思ってないぞ?ほら、思い出させてやる。俺のとこに来い、そしたら、嫌なことなんかみんな忘れさせてやる」
どんなふうに熱っぽいキスを受けても、ぎゅっと抱きしめられても、体に伝わる熱だけで、志賀くんが私に触れるのとは違って感じる。
ほんの少し前、あんなに待ち通しかったキスも、あんなに肌を熱くした愛撫も、体に何の反応も起こさない。
私が望んでるのは、愛しい人のキスだけで、早坂さんに情熱的に求められても、ただ反射的な反応を繰り返すだけだ。
「どうした?友芽、まだ足りないか?」
「違う…早坂さん、もうだめなの。
私、あの人が好き…だから…止めてこんなこと」
彼は、腕の力を緩めずに言う。
「俺は…友芽がいい。お前が何をすれば喜ぶか、俺は全部知っている…
首筋、優しくなぞるようにキスされるの好きだろう?」
首筋筋に、キスを受けながら、早坂さんの指が私の体を自由に撫で回す。ウエストから、シャツを引っ張られ、冷たい手が侵入して片方の胸を優しく撫でる。