クラスゲーム
「どういうことだ?説明しろ!」

たかしが大声で男に叫ぶ。

こんな怒鳴っているところを見るのは初めてで私まで背筋を伸ばしてしまった。

なるべく5人から視線を外した。

「おや?でもみんなギリギリ生きているでしょう?なにもしなくてもボタン1つで僕がいろんなとこに持っていけるしあなたたちを殺すこともできる。小田切さん、あなたもここでは殺されます。」



うそ……。


ここでは私も死ぬ…??




ギリギリ生きているって、こんなの生きてるかどうかもわからない状況じゃないの。


「さあ、あなたたちはこれから5日間の内に学校の中にある【心臓】を探してほしいのです。」


心臓?


なに言ってるの?



それに、子供を減らすのが目的だったんじゃないの??


考えれば考えるほど頭の中が混乱してぐちゃぐちゃになってくる。


「心臓ってなに?誰の?」

「私のですよ…。」


そう言って羽織っていた服を脱ぐとその男の左胸にはぽっかりと穴が空いていて心臓がなかったのだ。


「ひいぃ!!なんで、心臓ないの?」

「昔殺されたんだよ…お金に苦労してた父親が僕の心臓を高く売りさばいた。僕は魂が残ってようやく今ここの学校に僕の心臓があるってわかったんだよ。」


殺された?

こんなにはっきりとわかるのに?
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