クラスゲーム
「っし、ついたな。」


そう言ってひとまず中に入って制服についたホコリを手ではらう。


「美術室ってなんでこんなに広いのよ!」


1人で怒ってみるけどそんなことしても事実は変わるわけではない。


「じゃあ賢斗は後ろから調べてみて。私は前から調べるから。」

「ああ。」


そう言ってお互い一言も喋ることもせずに黙々と探し続けた。


うわっ、この引き出しほこりまみれじゃん。


こんなとこに心臓あったら嫌だな……。


第一人の心臓だよ?正直言うと気持ち悪いし触りたくなんかない。


「コツ…コツ……。」


静かだけど近くに足音が聞こえて全身が震え上がって思わず携帯を落としてしまった。


「ガシャンッ」


「お前……!!」


賢斗が慌てて私の方に飛んできて机の下に潜り込む。


なにこの状況。


狭い机の下に賢斗の上に私が座るような体制で隠れてやり過ごすことになった。


「ガタッ」


入ってきた!!


なんでこんなに運が悪いの……やっぱりあんなに大きな音なったら気づくよね。


それに机の下って、さすがに無理がある。


そのとき


「っ!!」


まばゆい光が顔に当たった。


もうだめだ……こんなに頑張ったのにもう終わっちゃったよ。


「お前ら、なにいちゃついてるんだ!今は真剣に探せよ!」


「た、たかし……。」


そっか、光を持ってるってことはあの5人じゃないってことだ。



< 231 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop