クラスゲーム
でもそんな優しいことしてくれるのかな。


「じゃあ次の部屋に行こう。」


今度は廊下に誰かがいる様子もなく、早足で隣の部屋に入った。


「でもさ、いろんなとこ回ってるんだよね?あの5人。それにしてはまだ1人しか会ってないってなんかおかしくない?」


そう。東棟に行った後、東棟のあらんたちはどうなったのかもわからない。


心配だけど見に行くわけにはいかないしむやみに動いたら危ないよね。



「く、くるなーーー!!」


そう声が聞こえたのは私が上の物置を調べていた時だった。


はしごの上で不安定なのにこんな時に登ることも降りることもできないなんて……!!


「愛理…!」


下を見ると険しい顔で賢斗が腕を広げて見上げている。


「早く逃げて!私が囮になってでも来させないから!」


小さな声でそう言ってる間にも足音はどんどん近づいてくる。


「こい!いいから!」


飛び込めってこと?


もうたかしは掃除道具入れに隠れてるっていうのに。




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