クラスゲーム
それにこの距離で飛び込むとなるとそうとうな負荷がかかるし音も出ると思う。


でも賢斗を信じてはしごから体を離した。


「って…!」


賢斗の体に覆い被さるように落ちた私はそのまま賢斗の手を引いて横にある大きなクローゼットに身を潜めた。


なんか賢斗と一緒に隠れること多いな。


「……………。」


静かな時間が過ぎる。


静かすぎて時間の感覚もわからないし、すごく長く感じる。


少しの呼吸も目の前にいる賢斗に、そして教室の前の長い廊下を走ってると思われる誰かに、聞こえてしまいそうで。


それにも気を使って息をできるだけ止めた。


「誰か!助けてくれー!俺だ!」


このガサついた特徴のある声は有村君。


助けてあげれるもんならそりゃ助けてあげたいけどさ、今はそんな余裕ないよ。


心の中で謝ってどうか逃げ切れるようにと願って目を閉じた。
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