クラスゲーム
「俺宛の遺書、お前宛の遺書、おじさん宛の遺書があったんだよ。でも愛理には見せない方がいいと思った、更に自分を責めるんじゃないかって……。」


おじさんと言うのはお父さんのことだと思う、もうお母さんの両親はなくなってるから親しかった賢斗にも書いてたんだ。


「でも待って…、遺書ってことは、お母さんは、あの日、もう死ぬってわかってたんだ…。もう覚悟してたんだ……。」


私のために死んだお母さんの気持ちを考えると胸がいっぱいになって苦しくなった。


お母さんは、昔自分もクラスゲームさせられて、仲間はみんな死んで、自分のお母さんが仮面の女だと知って、


自分もなりたくもない仮面の女にならされて、娘を守るために自殺??



そんなの、お母さんの人生はなんだったっていうの……。



「明日、おじさんに俺が持ってる遺書を渡す。その時に愛理にも渡す…隠していたのは悪かった。」


ううん、と首を横に振った。


その方向に溢れた涙が飛び散る。


だって、私のために隠していたってさっきも言ってたし、賢斗のことだからアホなりにも考えてくれたんだと思う。
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