クラスゲーム
「愛理……もう嫌だよ…。助けて!」


急に机から出てきた瞬間抱きついて泣いてきた。


何が何か訳が分からない状況でも、あの5人じゃなかったことに安心を覚えた私たちは書道室の隣の部屋に来た。


三階の芸術棟はこの部屋で終わりだ。


ここは隠れる場所が多いからと、椅子に夏菜を座らせてひとまず話を聞くことにした。


みんなで聞くと時間の無駄ということでたかしと賢斗は物の多いこの部屋を調べ始めることになった。


私も夏菜とはあまり話したことないし大人しいから苦手なんだけどなぁ…。


でも女子は私しかいないから仕方ない。


「で、どうしたの?あらんと心愛は?」


ようやく泣き止んで少しずつ話すことができるようになった。


「私がね、不注意で棚の上にあった時計を落としちゃったんだ…。それで3人が来て、みんな必死に隠れたんだけど…心愛はすごく怒ってて、謝っても許してくれないし谷君はどっかいっちゃったし…。」


あー、向こうで音がしたのは時計が落ちた音だったんだ。

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