クラスゲーム
「愛理…?柴田?」

この声は。


「賢斗か、びっくりさせないでよね。」


そう言って夏菜とトイレから出ると横にいたのは賢斗じゃなくて野々村くんだった。


「きゃぁああああああああああ!!」


ダメとわかっていても抑えられなかった悲鳴。


だめだ、こんなに大きい声出しちゃみんな来てしまう!!


野々村君も血だらけで顔が真っ赤になっている。


なんで賢斗の声になってたの?!


となりの賢斗とたかしは大丈夫なの?!


全然状況は理解できないけどとにかく逃げるしかないことはわかった。


「夏菜、右と左にわかれるよ!」


そう言って階段を駆け下りたところでドンと夏菜の背中を押した。


私は東棟の方向に、夏菜は特別棟のほうに向かって走った。


「たったった…。」


足音は早く後ろを向いて照らすと血まみれの野々村君が不気味に走ってくるのがわかった。


東棟に夏菜をまたいかせるわけにはいかない。


だから私がきたけどやっぱこっちに来るよね…。


さっきも東棟であらんと心愛を見たんだから人が多そうなほうに来るのは当たり前だよね。
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