クラスゲーム
「はぁ…。みんなとはぐれちゃったよ。あ、心愛は?」


夏菜のことは今日は触れずに明日聞くこととして、心愛がどこに行ったのかは聞いておきたい。


「あいつ…急にベタベタしてくっからよー、うっとーしくてキメェんだよ、どっかいけ。って言ったらどっか逃げて行ったんだよ。」



うん、予想通りの答えだよ。


「心愛もそういうとこあるからね、まああらんの口も悪いとは思うけどさ。」


溜息をつきながら呟くとあらんが驚いたような表情でこっちを見た。


「な、なによ……?」


「いや、お前も十分口悪りぃだろ?人のこと言ってんじゃねーよ。」


な!!


確かに口悪いのは認めるけどさ、あらんほどじゃないよね?!


せっかく見直したと思ったのにもういい加減にしてよね!


「じゃあね、私は戻るからあらんも頑張って探してよね、あ、あとヒントの紙みたいなのもあるから見たら持ってて。」


「あ?なに言ってんだテメェはよー、死にたいのか?1人で回るよりは2人の方がマシに決まってんだろ?どこにいるかわかんねぇんだからよぉ。それに俺に命令してんじゃねーよ!俺の命令に従えや!」


なんかすっごい文句言われてる気もするけど要するに


危ないから一緒にきてくれるってことだよね?


なんだかんださっきも守ってくれたしやっぱりあらんって。


「素直じゃないよね…本当は優しいのに恥ずかしくて素直には言えないからついつい口調が荒くなるって感じ?」


「お前に俺のことをとやかくいう資格はねぇんだよ。」


春香は多分本当の優しいあらんに惹かれたんだろうな……。


「はいはい、じゃあお言葉に甘えて。東棟はどこまで終わったの?」




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