クラスゲーム
「もういい、あとで愛理に聞く。」


その間お父さんは何も言わず真剣な目で遺書に目を通していた。


私も遺書に目をやる。


【愛理へ
こんなことになってごめんなさいね。この 手紙を読んでるってことはもう私はこの世にいないんだね。想像はつかないけど次のミッションに進んだのかな?私はやったことがないけど愛理は無事に最後まで生き残れると信じています。巻き込んでしまって本当にごめん。お母さんらしいこともできなかったね。でも愛理のことが大好きだよ。
お母さんより】


クラスゲームの話がほとんどで、お母さんがどれだけ自分を責めてきたのかと思うとまた涙が止まらない。


賢斗も向こうを向いているけれど少し鼻をすすっている音が聞こえる。


「賢斗くん、ありがとう。君には感謝してるよ。僕は仕事が忙しくてなかなか一緒にいられないからこれからも愛理を頼むよ。付き合っているんだろう?」


あ……さっき言ったから気づいちゃったんだ。



「はい、お付き合いさせてもらってます。愛理のことは俺が守るんで、心配しないでください。」


賢斗はそう言うと深く頭を下げた。


でも賢斗に声をかけたのはお父さんではなくて良太だった。


「付き合ってるのか?」


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