クラスゲーム
扉を閉める余裕なんてないし閉めたらどこにいるかバレバレになるから開けたまま。


どちらにしても見つかる可能性は高い。


一応奥の机の陰に隠れたけど入ってきたら一発で見つかる。


ドキドキして口から心臓が飛び出るなんて嘘だけど本当に飛び出してしまうんじゃないかっていうほど全身がドキドキしている。


「カタッ」


隣の部屋で物音がして、そっちを探しているんだとすぐに分かった。


このままだとこの部屋に来る、って分かっているのに体が硬直したように硬くなって動かない。


冷静に物事を考えることなんてもうできなくなっていた。


「早く逃げたい。この状況から早く逃れたい。」


ただその一心で動かない足を必死で引きずりながらも廊下に飛び出した。


どうせ動かなければ殺される。


もしかしたら今廊下で私のことを捉えているかも知れないけどそんなこと気にしてる場合じゃない。


< 272 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop