クラスゲーム
でも本心じゃないってのはもうわかってるんだよね。


「はいはい、春香に怒られるよ。」


「っち、最近俺のこと適当にあしらいやがって。じゃさっさとあっちいけ。」


背中を向けて片手で探しながらもう片方の手で追いやるようにしっしっと振る。


その姿を見てから私は三階へと駆け上がった。


「間宮君?」


一瞬ドクッと心臓が跳ねるのが分かった。


だって夏菜もいないしなんで間宮君がこんなとこに。


「東棟にいないから心配したよ、ここ調べてたの?夏菜は?」


そう聞いてもじっとこっちを見つめるばかりで口を開く様子はない。


嫌な予感がした。


冷や汗がスーッと背中を滴り落ちるのが手に取るようにわかる。


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