クラスゲーム
「なんだと!俺は真剣に考えているんだ。」


「私は上から全てを見てた。間宮君の行動も…ね。」


そう言うと少し戸惑いの表情を浮かべ溜息をついた。


「悪いけど言わせてもらうわ。間宮君は敵よ。あなたたちにこのクラスゲームをやらせているあの男の関係者なの。だから夏菜を殺した。これから絶対あなた達を殺しにくるはず。それを言いにきたの。あと作戦も言いにね。」


待って、いきなりそんなこと言われても。

頭がごちゃごちゃで…。


確かに疑ってはいたけど実際本当にそんなことがあるとしたら…どうしていいのかわからない。


「ほんとかよ…じゃあとっとと作戦を教えろ!」


じっと沙知を見ている賢斗と心愛とは裏腹にあらんは教えてもらう態度とは思えない…。


「あらあら、まだ私に喧嘩をふっかけるつもり?まあいいわ、教えましょうか。」


そう言ってノートをたかしに返すと作戦を話し始めた。


「そうね…あなたたちをすぐに殺しにくるとは思わないし、その話に触れることもダメよ。普段ん通りにして、まず校舎に入るの。それでそれから1人ずつばらばらに逃げて。それから集合場所を決めておいてそこで合流するのよ。そうすれば殺される確率は少なくなると思わない?」


確かにみんなで行動すると、間宮君と一緒に行動する人は殺されるかもしれない。


それだとばらばらに動くほうがいいし、後で集合したほうが安全だと思えた。


「確かにな…でも、それだと探すのに効率が悪くなるじゃないか。」


たかしがそう言って沙知を見る。


「武器を持てばいいのよ。家庭室にナイフでもなんでもあるでしょ?殺されそうになったら殺す。クラスゲームの決まりでしょ。私は12時までいれるから。」


ああ言ったらこう言うかのように沙知はたかしの疑問にポンポン返していく。


たかしのほうが学力は上でも、考えすぎるところがあるから沙知のほうがこういうのは鋭い。


「でも…死ぬってわかってるのに。私たちのために?」


聞きにくいけど勇気を振り絞って聞いた。


そう、千穂も言ってた通り一回出てきたら待ってるのは本当の死。


「分かってるわ。でも何もしないで一生いるくらいなら協力したかったのよ。じゃなきゃあんた達死ぬでしょ。」


そう言って顔をプイッと外に背ける。


みんなに感謝されてることが分かって恥ずかしがってるのだろう。


本当に素直じゃないんだから。

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