クラスゲーム
「じゃあ1人づつ探すということで、家庭室に集まることにしようか?」


たかしが全員の顔を見渡すと全員頷いた。


本当に始まる前に殺されるか不安だけど…。


「じゃあ〜、最初からナイフを持って12時を迎えたらいいんじゃないのぉ?」


心愛が嫌な視線を沙知に向ける。


心愛も話聞いてないようで意外に聞いててちゃんと考えてるんだ。


「スマホ以外はクラスゲームに持ち込めないわよ。初日に有村くんが自分を守るようにカッターを持っていたけどスマホだけになってたの。」


あー。最後の希望まで打ち砕かれちゃったよ。


よく見てるな…とは思ったけど今日見つけなければどんどん危険が迫ってるような気がして沙知には生き返って欲しいと思った。


たかしがいないと全然ダメだけど沙知もいた方が絶対見つけれる確率が上がるよ。


「だいたい私がそんな事も考えずにこんな作戦考えてるとでも思ってるのかしら?本当にあなたたちはどこまで頭の中がおめでたい人間なの。」


心愛の嫌な喋り方の上をくるよ、沙知は。


それにあなたたちって私まで入ったわけ?!


「なによあんた。自分がなんでも1番だと思いやがって…いい気になってんじゃねーよ!」


あらら、本気になってまた口調がヤンキーみたいになったよ。


「あなたがその口調になるってことは本気ね。でも私がいなかったらあなたも今日死んでたのよ?」


そう言われると心愛もなにも言い返せない。だって本当にその通りなのだから。

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