クラスゲーム
「おいおい、喧嘩はやめろ。それよりみんなはどこを調べたんだ?あと、紙を見つけたやついないか?」


たかしがそう言うとあらんがポケットからグッシャグシャの紙を出した。


「と!!!」


そこに書かれてたのは「と」


「やっぱり特別室なんだよ!じゃあみんなが調べてない部屋を今日調べたら終われるかも知れないじゃん!」


「愛理が特別室に気づくと思わなかったわ。私も特別室じゃないかしらとは思ってたけどやっぱりそうみたいね。」


なんか一言多い気もするけど、そこまで上からは見えてるんだ。


「なんか椅子に置いてあったからよ、一応ひらってやったぜ。」


てゆうかスマホは持ってなくても勝手にポケットに入ってるのに他のは持ち込めないってほんとなんなの。


あらんのドヤ顔自慢はほっておいて違うことを考えてるとすごい視線を感じた。


「おまえ聞いてねぇだろ!特別棟なんて俺がほとんど調べてやったぜ…。」


そう言うあらんはたかしの書いた図に自分が調べた場所をどんどんバツを書いて消していく。


こう見てみると残っている部屋はわずかだ。


「一階の隅にあるトイレ。二階は全部終わった、三階の家庭室、図工室。四階は特別室Aと第二職員室だな…。」


手分けしたら本当に今日だけで終わるんじゃないかと思う程。


「本当に今日終わるかも知れない。こんなものとっとと終わらせてみんなで笑って過ごせる日を取り戻そう!」


たかしがいい終わると賢斗がじーっとたかしの顔を見つめる。


「よくお前そんな漫画みてぇなセリフ言えるな…恥ずかしいぜ。」


「な!!いいだろ別に!今日が最後かも知れないんだからよ!」


それを聞いて恥ずかしくなったのかまたメガネをふいて誤魔化している。


終わればこんな日が毎日続くのかな…。


なんて思いながら内心本当に今日で終わるのかドキドキしていた。



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