クラスゲーム
そうして誰がどこを調べるのかを考えながら12時を迎えた。


“今日で最後にする”


思えば色々なことがあった。


だけどもうこんなゲーム今日で終わらすんだ。


「おい、今日はバラバラで調べよーぜ。」


「もう飽きたしね、みんなで調べるの。もうどうだっていいし適当に隠れてやりすごそーっと。」


ここまでは作戦通り。


間宮君をチラッと見てみるもなにも変わった様子はない。


「じゃ、そうするか…。」


たかしの視線をみんなで確認して早足でバラバラにはいった。


間宮君の動きは確認していない。


とにかく遠回りして家庭科室に行かなければならない。


あの5人に見つからないように。



階段を2段飛ばしで勢いよく登っていると上から音が聞こえた。


「コツ…。コツ…。」


足音。


ここまで来て見つかるわけには、死ぬわけには行かない。


とっさに横の部屋に隠れると足音がこっちに近づいて来た。


うそ?!


なんで階段降りてくるの?!


そっと机の陰に身を潜めてドアの方を見ているとすっとドアが開いた。


ここまで来たのに…。


今日で終わるかもしれないのに。


「みんな…ごめん。」


そう言って目を閉じると















「は?俺だ。」



え?


目を開けて視線を上に上げると確かにそこに立っていたのは賢斗だった。


「賢斗!驚かさないでよ…なんで降りてきたの?」


「いやだってお前だけ来てねーし、廊下に出たら下でドアの音がしたからそうかなって。」


間宮君とかあの5人だったらどうするつもりなの?!


って今に私には言えるわけもなく…。


賢斗に連れられて家庭科室に来た。



「やっと来たかバカップル。さっさとお前らも包丁持て。」


そう言って2つ机に並べられている包丁を押し付けて来た。


それをポケットに入れるとみんなで今日の作戦通りどこを調べるのかもう一度確認して廊下に出た。


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