クラスゲーム
私が調べるのは、この階にある図工室。


家庭科室はあらんが調べるらしい。


動くのめんどくせーから…。とか言って。



少し廊下を進んだところにある図工室に入りドアを閉める。



「こんなところにあるわけないじゃん。」



とか言いながらも結局探さないといけないから。


これで特別棟じゃなかったら死ぬ覚悟をしなければならない。


棚を調べてみんなの作品を見ながら進んでいた時




「これ…?」





誰かが作ったパチンコ…。




普通ならそこに置かれているはずの球がなくて、心臓らしき物体が置かれていたのだ。



真っ暗闇の中光に照らされる心臓は想像以上に気持ち悪くて持っていくことなんてできないと思った。


でもこれをどこかに持って行かなきゃ…。


先にみんなに知らせなきゃ何も始まらない。


意を決してその心臓を両手で包み込んだ瞬間、あたりが真っ白になった。



え?まだ3時じゃないよね?!



そんなこと思いながら目を開けるとそこは生徒玄関だった。



12時になったらいつもくる場所…。



手に心臓は……ない。



「なんでよ?!やっと見つけたのに!!」



そう言うと周りにいるみんなが集まって来た。


「どういうことだ?急に真っ白になって気付いたら。」



やっぱりみんなも同じなんだ。


そこに間宮君の姿はない。


「私見つけたんだって!図工室で!それで持った瞬間真っ白に…。」



「てことはゲームが終わったってことか…?」


「じゃとっとと帰ろうぜ!」


そう言ってあらんが門から出ようとしたら何かにぶつかった。


「なんでまだ壁があるんだよ?!もう終わっただろ?!」


怒って蹴っているけどわかってる通り割れたりなんかしない。


「どういうことだ…どうすればいいんだ?」


たかしも頭を悩ませている時、あの男が間宮君を連れて出て来た。


「やあみんな。見つけてくれたのか。ありがとう。もう知ってるようだけどこの子はこっち側の人間。というか私の息子なんだけどね。」


そう言って呑気に笑う男。


「息子…?!」


口を揃えてそう言うとパッと学校に明かりがついた。


「今回のクラスゲーム、生き残り、5人。解放します。お疲れ様です。」



そんな校内放送が流れた瞬間、間宮君の体が爆発した。


「なに?!」


恐る恐る見ると心臓の部分が破裂していてなくなっていた。


「まさかまた誰かにこのゲームをさせるのか?!」


なにかに気付いたようでたかしが声を荒げる。


男の胸にはさっき見つけた心臓がきちっと入っている。


間宮君が男側になってまた誰かにこのゲームをさせるということなのだろう。



私でもそんなこと分かった。


「お前の昔の先祖と俺の昔の先祖はこの学校で死んだんだ。同級生たちにいじめられて、殺された。その呪いと言われている。俺もお前もこんなことに巻き込まれたんだ。みんなごめんな。」



そう言うと普段無口だった間宮君と男は一瞬で消えた。



そこから門を出ると普通に何ごともなかったかのように町は静かで当たり前のように学校は暗くなっていて…。


家に帰った。



終わった…やっと終わった。


けど、生き残りはたったの5人…?


家に帰りシャワーを浴びず何があったのか頭の中で整理している間に寝てしまった。


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