クラスゲーム
ガラガラ…。


ゆっくりと教室のドアが開いて先生が入って来た。


教卓につく先生はやけにやつれているように見える。


「えー…皆さんに報告があります。」


やっぱり気付かないのか…これもまだクラスゲームの呪いなんだよね。


「ここにいるみんな以外、昨日急に行方不明になりました。未だ行方もなぜ急にみんなが消えたのかも分かっていません。みんなも気をつけるんだぞ。」


「は?行方不明…?」


「何言ってるのよ。昨日じゃないでしょ!!前からみんなはいなかった!先生も気付いてなかったじゃない!」


沙知もびっくりしたのかすごい形相で先生に詰め寄る。


こんな取り乱した沙知を見るなんて。



「何?昨日から行方不明になったんだ。クラスメイトが急にこんな事になって信じられないかもだけどみんなも見かけたら連絡してくれよ。」


信じられない?


みんなはきっと行方不明なんかじゃない、ってことはここにいる全員が分かっている。


「なにも知らないくせに…。私達がどんなゲームをしていたか、どんなに辛くて大変なゲームをしていたか知らないくせに!!なに悲しそうな顔してんのよ!悲しいのはこっちよ!」


呼吸をする暇もなくつっかえていた言葉が口から溢れ出た。


「ゲーム…?何をそんなに怒っているんだ。まさか、このクラスだったのか…?本当にあのゲームが行われたのか?」


何か思い当たる節でもあるのだろうか。


ゆっくりと先生の顔から血の気が引き、青ざめていった。


「昔からずっとこの学校にはある噂があった。クラスゲームっていうゲームがあるって…。でもみんな単なる噂としか思っていなかったけど。」


「そのまさか。俺らはずっとそれをさせられて、生き残ったのがこんだけってわけだ。」


賢斗が落ち着いた様子で口を開いた。



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