クラスゲーム
「誰も…いねぇ。早く出てきやがれ!」


あらんが校舎に向かって石を投げつける。


「ちょっ!学校に乱暴はやめてくれ。」


慌てて先生が駆けつけるも睨まれておしまい。


「何…?奥に誰かいない?」


春香がそう言い、校舎の中を指差した。


「怖いこと言わないでよ…。間宮君?」



スッとまっすぐこちらに歩いてくるのは明らかに間宮君。



「きた!間宮…」


「シッ!間宮君、きてくれてありがとう。あなたも被害者ってことは分かってる。今度は愛理と同じ、させる側になったんでしょう?というか愛理を操るのも間宮君。違う?」


私の言葉をさえぎり早口で全部をいい終わり間宮君を見ると深く頷いた。


「全部、あってる。俺もどうしたらいいか分からないんだ…。」


「呪いを解くことはできないの?あなたが元なんだからあなたがなんとかすればこんなゲーム終わるんじゃないの?」


「今日、自分で心臓を見つけた。もしかしたらこれをはめたらクラスゲームをさせなくて済むんじゃないかって。」


そう言ってポケットから取り出したのは2度と見たくなかった人の心臓。


1日で見つけるなんて…。


運が良かったのかな。


「じゃ、さっさとはめろ。俺は眠いんだよ。」


賢斗があくびをしながら伸びる。


震えながらもそっと自分の空いた心臓の部分にその物体を入れる。


「自分で心臓を入れました。ゲームオーバーです。終了します。」


という放送が流れた。


え、放送室には誰もいないよね?


そう思ったのと同時と言っていいくらいに間宮君は姿を消した。


「どういうこと?成仏したって…こと?もうこのゲームは終わりなの?」


あっさり終わってしまったゲームに困惑する沙知。
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