光が眩しいから
はじまり
俺達はテストが終わり、みんなで海に来ている。
でも俺はいっこうに楽しめない。
なぜなら、悩んでいるからだ…。
俺の悩みはただ一つ。
詞がかけないことだ。
なぜ詞をかく必要があるかというと、実はテスト前の放課後、『バンドでオリジナルをやらないか?』という春樹の提案に、乗ったはいいものの、ヴォーカルだからと皆に作詞を押し付けられたからだ。

テストが終わるまでは、テスト勉強があるし…と勉強に逃げられたものの、今日からはそうは行かない。
真面目に作詞に取りかからなければ…。
でも何をかいたらいいのかが分からない…。
どうしよう…。

「どうしたよ?
こう楽しくないのか?」
「…やっぱ作詞」
「何度言ってもダメだよ。
作詞はこうがやることに決まっただろ?
俺は俺の曲にこうの詞を乗せて欲しいんだよ。」
「だって書けねぇんだもん…」

その時ゆきの声が、波の音の間から明るい声で俺を呼んだ。

「こうちゃーん
何暗い顔してるの?」

海から上がって
少し濡れたゆきの
髪や
素肌を
眩しい太陽が輝かせた。


「綺麗だ…」


「えっ?
こうちゃん何か言ったぁ~?」
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