光が眩しいから
午前の授業が終わると、弁当をすぐ持って教室を後にする。


そして、もう今はほとんど使われていない旧校舎の裏庭に向かう。
そこで佳珠音と待ち合わせていた。


外に出るとあたたかい風が吹いていて、優しい光が降り注いでいた。



旧校舎の裏庭には佳珠音しかいなかった。


「人いないんだね。」
「あぁ。
ここは一年の頃から私だけしか来てないから。
噂があるんだ。
幽霊がでるって。」
「ふーん。
佳珠音はそういうの怖くないの？」
「別に。
生きてる人間のほうが怖いときあるから。
それより座ったら？」
「うん。」

佳珠音の隣に座る。

彼女の肌は白くて、日差しの下が少し似合わない。
でも光に包まれた彼女は、元々綺麗な顔立ちをしているから綺麗だった。
長い黒髪が少し風に揺れる。


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