光が眩しいから
俺がこう言ったのは、彼女が弁当じゃなくサンドイッチの理由が分かったからだ。


彼女はいわばお嬢様だ。
だからと言って“幸せ”だとは限らない。
彼女は親の愛を知らない。
家に親がいて
皆でご飯を食べたり、良いことをしたらほめられて、悪いことをしたら叱られたり。
そんな記憶が彼女にはない。

今も同じ。

だから彼女は手作り弁当ではなく、コンビニのサンドイッチなんだ。
それが俺には分かった。
多分これは俺にしかわからないことだ。

綺麗な上に頭もいい。
彼女のことは学校中が知っていた。
でも少し近寄りがたい雰囲気の彼女の友人は一人しかいなかった。

その友人は春樹の彼女で、春樹達と佳珠音は幼なじみ。
そして春樹は佳珠音の

一番好きな人だ。



春樹と春樹の彼女は互いを凄く愛していて、大切にしていた。
別れることは、他人からみても絶対ないと分かる。




叶わない恋と知っていた。


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