光が眩しいから
「ごちそうさまでした。」

佳珠音が先に食べ終わる。

「ごちそうさまでした。」

少し遅れて俺も食べ終わった。



俺達の座っている場所は、陽が当たっていたけれど少しだけ影になっていた。


昼休みが終わるまではまだ時間があった。

話すことは無いわけではなかったけれど俺達はただ黙っていた。

そして俺は自然に佳珠音の足に頭をもたれかけて寝転がる。
彼女は勝手に膝枕をした俺に驚かず、頭に手を置いて優しくなでてくれた。


心地いい感覚。

きっともし誰かが、一番好きじゃないのに付き合っていると知ったなら、不自然な関係で不自然な行為に見えるかもしれない。


でも俺達にとっては自然なこと。


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