光が眩しいから

「ちーっす。」

しばらくして春樹が部室に忍び込んできた。

「おーす。」

「おいおい。
どうした一真。
ふてくされた顔して。
また啓にいじめられたのか?」

春樹はそう言って、一真の頬をつねった。

「別になんでもねぇよ。」

ふてくされ気味に一真が声を出す。

「つか、またって…
俺啓をいじめたおぼえなんてねぇぞ。」

啓はそう言いながら部室の壁に寄り掛かり、煙草をくわえた。

「おい!
部室で煙草吸うなっつったろ!」

啓が駆け寄ってくわえた煙草を奪った。

「あぁー…
わるい。」

啓が煙草を吸うのは、もう癖のようなもの。
暇なとき、苛ついているとき、考え事をしているとき。
もう中毒レベルだと思う。
無意識に吸おうとしてしまうらしい。

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