光が眩しいから
それから2時間ぐらい練習をしたところで、不意にドアが開けられた。
ドアに背を向けていた俺は佳珠音だと思って振り向いた。
そこにいたのは、ゆきと沙織ちゃんだった…。

「沙織じゃん?
いきなりどしたぁ~?
まさか兄貴に会いにきたのかぁ~?」

「だれが馬鹿兄貴に会いにくるか!
馬鹿言ってると部活で作ったクッキーあげないし!」

沙織ちゃんは透明な袋に入った、沙織ちゃんとゆきが入っている家庭科部で作ったクッキーをちらつかせ、少し舌を出して笑う。

「ちょっ!
いいし!
馬鹿妹に貰えなくてもゆきちゃんにもらうし!」

一真も沙織ちゃんの面影のある顔で、同じように舌を出して対抗してる。

「こんな馬鹿にゆきはあげませんよーだ!
ねぇゆきぃ。」

ゆきはクスクス笑って

「そうだね。」

って答えた。

「ちょっ!
ひどぉ~い…。」

「うそうそ。
あげるよ。
はいどうぞ。」

ゆきは一真にクッキーを渡した。

「ありがと~う!」

一真は嬉しそうにさっそくクッキーを食べはじめた。

「あっ
けいちゃんにもね。
はい、どうぞっ。」

ゆきは柔らかい笑顔で近づいてきて、俺にクッキーを手渡した。

「あぁ。
ありがとな。」

「どういたしまして♪」
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