パドックで会いましょう
そんな事を考えているうちにゲートが開き、レースは始まった。

ねえさんの説明を聞いたせいか、女子高生がゴールを目指して必死で走っているような気がしてきた。

レースが終盤に差し掛かると、ねえさんは興奮して身を乗り出し、拳を振り上げて、わー!とか、行けー!!とか叫んだ。

そして最後の直線で3頭が競り合いになると、更に興奮して、僕の頭を腕でガシッと胸に抱えた。


ね、ねえさん!!


胸っ、胸が当たってますけど!!


ねえさんの柔らかい胸に押し付けられた僕の顔の右側は、途端にカーッと熱くなる。

どうしよう?!

こんな事初めての経験でテンパってる!!

ねえさん、こんなんでも一応僕だって男です。

いろいろヤバイから、もうやめて…。

いや、こんなオイシイ事、もう二度とないかも知れない。

やっぱりまだやめないで…。

僕の頭の中は煩悩まみれだ。

馬の女子高生の美脚より、人間の大人の女の胸の方がいいに決まってる。

ああ…もう、このままどうなってもいい…。


「ぃよっしゃあ!!」

ねえさんは大声を上げて、僕の頭をボカボカ殴った。

「痛いっ、痛いです!!」

これは、ねえさんの胸にずっと顔をうずめていたいなどと、良からぬ事を考えていた天罰でしょうか?

非常に痛いです、ねえさん。

「あー、ごめんな。思わず興奮してしもた。」

ねえさんは僕の頭をヨシヨシと撫でて手を離した。


< 20 / 103 >

この作品をシェア

pagetop