この作品が好きでもう3回は読みました。主人公の男の子アンチャン(関東出身)と競馬場で出会ったねえさんとおじさんが主な登場人物。お互い名前で呼ばず、連絡先も分からない、ただ競馬場で会うだけの関係から話が進むのが面白いです。背が高くもなく童顔で恋愛経験もなくて自分に自信のなかったアンチャンの恋心の描写がとてもリアルで共感できました。ねえさんとおじさんの痛快な関西弁の会話とは対照的に、2人の壮絶で悲しい過去はとても切ないものでした。ある事情でしばらく会えなかったねえさんとアンチャンが競馬場で再会し、アンチャンがねえさんの過去を受け止めた上で素直に想いを伝え、そして2人の想いが通じ合うシーンでは急展開もありましたが心がじんわりと温かくなりました。