ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
「た、くさんの人に……ヒック……迷惑かけて………七瀬くんも……グスッ………いっぱい……い、っぱい……傷つけ…て……。
私は………全然……優しくなんか、ない…んだ……ごめん、なさ…ヒック……ごめん……なさい。」
「陽和………。」
杏華が私の手をぎゅっと握って背中をさすってくれた。
「そ、それと………さくちゃん……。」
私はさくちゃんの元に向かった。
「ごめんね………いっぱい、傷つけて………大好き………なのに……伝えられなくて……。」
さくちゃんは黙っている。
「………さくちゃん……大好き…‥‥。」
さくちゃんは何も言ってくれない……。
もう……嫌われちゃったかな……?
「さくちゃんに……嫌われちゃっても……これからも私は…さくちゃん以外…好きになれないんだ…。……さくちゃん…ごめんね…。」
そう言って席を離れようとした。
だけど、私の足は動かなかった。
「さ、さくちゃ………「陽和……」
私はさくちゃんに抱きしめられていた。
「ごめん……ごめん……。」
さくちゃんは沢山謝ってきた。
「‥‥なんで謝るの?………大丈夫だよ。」
「お前の事…守ってやれなくてごめん…。」
涙が溢れてきた。
「もう、いっぱい守ってもらってる……。」
震えながらそう言うと、さくちゃんは更にきつく私を抱きしめた。
「……陽和………大好き……。」
その声は弱々しくて、いつものさくちゃんじゃないみたい。
「……私も大好きだよ。……これからも……隣に居ていいの………?」
「居てくれなきゃ困る。」
さくちゃんの制服をきゅっと掴んだ。
さくちゃんの顔が近づいてきて……優しく重なった。