ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―

「ほらほら、2人とも。それは後でにしなさい。」


杏華が私とさくちゃんを止めると、クラスの皆が集まってきた。

怖くてさくちゃんの後ろに隠れた。


「陽和ちゃん、ごめんね……。」


皆がそう言うからびっくりした。


「え、あの、皆顔上げて?……大丈夫だから……私こそ……ごめんなさい。」


「なんで陽和が謝るんだよ。」


さくちゃんにそう言われたけど、「いいの、私も悪かったから。」と言っておいた。


皆の誤解を解くことができてよかった。


と、安心していると……早川さんが私の前に来た。


また何かされるんじゃないかと思ってびくびくしていると……。


「………ごめんなさい。」


早川さんか謝ってきた。


すると、クラスの皆が口々に言う。


「今更謝っても………。」

「早川さんがあんな事するなんて……」


皆に色々言われるのはすごく怖い。

それをわかっているから私は止めた。


「み、皆そんなこと言わないで?早川さんはただ恋をしていただけだよ?……それに……沢山の人からね、何か言われるのってすごく怖くて、苦しいんだ。……だから、早川さんを責めないで…?」


私は早川さんの前に立った。


「早川さん……私こそごめんなさい……。」


「陽和ちゃん……ありがとう。」


早川さんが泣きだした。


「えぇ!?!?な、え、早川さん…泣かないで!?!?」


あたふたしていると、早川さんが笑った。


「ふふっ、最初から陽和ちゃんに敵うわけなかった……。こんなに優しくて、素直な子にあんな事するなんて………もう、二度としないから……。」


「うん…。早川さん……これからもよろしくね?」


「私と……これからも仲良くしてくれるの?」


「当たり前だよ!!」


「陽和ちゃん……本当にありがとう。」


早川さんは泣きながら笑った。
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