ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
後ろで杏華とさくちゃんが話しているのが聞こえた。
「陽和ってば人が良すぎるわ…。」
「そんな陽和だから好きになったんだ。」
「のろけはいらん。」
二人ってなんだかんだ仲良しだなぁ……。
とにかくクラスの皆と打ち解ける事ができてよかった。
今日は杏華にいっぱいいっぱい迷惑かけちゃったなぁ……。
私は杏華に抱きついた。
「杏華……大好き…。」
「あーら、ごめんなさいね、南くん。陽和は南くんより私の方が大好きみたい。」
そう言ってよしよしと私の頭を撫でてくれる。
「陽和……俺には?」
と、さくちゃんが寂しそうにハグを待っている。
「ここ、教室だもん。」
ちょっと冷たく返した。
今日の仕返しだもんね。
「さっきはちゅーしたのに?」
「ゔっ……」
さくちゃんはずるい。
私がさくちゃんに抱きつくようにわざと言ってるんだ。
さくちゃんにぎゅっと抱きつくと、さくちゃんは嬉しそうにぎゅっと抱きしめ返してきた。
「んで、陽和。」
「え、?」
「ちゅーは?」
「しない!ばか!!」
さくちゃんを叩いてやりました。
ねぇ、さくちゃん。
いつも守ってくれてありがとう。
でも今日はね?
杏華、大好き。