ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


そんなこんなで電車を降りた。


「ねぇ、さくちゃんここから歩くの?」


「うん、ちょっとね。」


2人で並んで歩き出した。


「陽和ちょっと目瞑って?」


「え、うん?」
  

私は言われた通り目を瞑った。


そのままさくちゃんに手を引かれて行くと、近くから潮の香りがした。


え、この匂いもしかして……。


「ん、いーよ、目開けてみ。」


「わぁ!!!海だぁぁぁぁ!!!!!」



目を開けると目の前には海が広がっていた。


太陽が反射してキラキラ光ってる……。

すっごく綺麗……。


「ここ良い場所だろ?絶対陽和に見せたかったんだよなー!」


「うん!すっごい綺麗!!」


風が吹いていて気持ちがいい。


そういえばさくちゃんと付き合ってからまだ1枚も写真撮ってないや。

撮りたいなぁ。

そう思ってケータイをぎゅっと握りしめた。


「陽和。」


「ん?」

さくちゃんに呼ばれてさくちゃんの方を向いた。


―カシャッ


え、さくちゃん今なにした?


「っしゃ、げっと!」


「ちょ、さくちゃん今写真撮った!?!?!?」


「おう!」


おう!じゃないでしょ!!!!!いきなり過ぎて絶対変な顔になってる!!!!!

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