ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
コスプレ喫茶に決まってから一人ひとりの衣装を決めていった。
衣装は衣装係が作るんだ!
私はというと……。
「はーい!私提案がありまーす!」
クラスの女子が手をあげた。
「どーぞ!」
橋本くんが意見を言うように促す。
「陽和ちゃんと、南くんには不思議の国のアリスのアリス役とうさぎ役やって欲しいでーす!!」
「「「おぉ~!!!」」」
クラスの皆が声を上げる。
意見を言ったのは山下 香織(ヤマシタ カオリ)ちゃんだ。
「え、アリス?」
私が聞くと香織ちゃんに笑顔で答えられた。
「うん!私絶対可愛いと思うんだぁ。それに、うさぎさんって時計下げててスーツ着てて南くんがやったら絶対かっこいいよ!!うさ耳ってのも可愛いし!!」
さくちゃんのうさぎさん!?
絶対かっこいいよ!!!
私は一気にやる気が出てきた。
「えー、俺やだ。」
「え、なんで!?」
「いや、うさぎさんとか……スーツなんか似合わねーよ!」
「絶対似合うって!陽和ちゃんからも言ってあげて!」
香織ちゃんに言われて私は素直に言った。
「あ、えっと……私も見てみたい…かも‥。さくちゃん絶対かっこいいし、似合うと思うよ?」
私がそう言うとさくちゃんは黙って顔を逸らした。
「あ、無理にってわけじゃないけど……。」
「いや、違う。山下、お前陽和を使うなんてずるいだろ。俺が陽和に頼まれたら断れないのわかってんだろ。」
「へっへーん、そうだろうと思ったわ!
って事で南くんはうさぎさんね!!陽和ちゃんはアリス!!」
パチパチパチとクラスの皆が拍手をした。
と、こんな感じで私の役はアリスになった。