ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


*


さくちゃんが事故に会ってから1週間が経った。


さくちゃんはまだ‥‥‥目を覚ましていない。

ずっと眠ったままだ。


私は朝、学校に行く前と学校が終わってからの放課後に毎日さくちゃんのいる病院に通っている。

たまに、和希くんと杏華も一緒に行く。


今はお昼休み。

私は杏華と一緒にお弁当を食べている。


「……はぁ……。」


「陽和、ここ最近ずっとため息ばっかり……ホントに大丈夫なの?

元気もないし……無理しないでよ?」



「うん、ありがとう。」


私は杏華に笑ってみせた。


クラスの皆もそうだ。


さくちゃんがいない通学路も、さくちゃんがいない教室も……たった1人いないだけなのに……皆どこか元気がない。


私達のクラスでさくちゃんの存在はそれだけ大きいってことなんだ。


その中でも私は特に元気がない。
それは自分でもわかってる。



皆が私の心配をして「大丈夫?」って声をかけてくれる。


今はその優しい声に支えられている。


私は本当に幸せ者だ。
皆にはたくさん感謝しなきゃ……。





さくちゃん……。

早く帰ってきてね?



皆で……ずっとずっと待ってるから……。







さくちゃんが……

早く目を覚ましてくれますように…。



私はそう願い続けるしかなかった。

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