ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


*


放課後。


今日もさくちゃんのいる病院に来た。



―ガラッ


さくちゃんのいる病室のドアを開けてさくちゃんに声をかける。



「さくちゃん、ただいま!」


病室には私の声だけが響いた。

さくちゃんは眠っているから返事をするはずがない。


わかっているけどさくちゃんとはいつでも話していたいんだ。


さくちゃんにはなるべく笑顔で話しかけるようにしているんだ。



だってさくちゃんはいつでも優しい笑顔で笑っていたから……。


それに、さくちゃんの目が覚めた時に泣いてるなんて嫌だもんね。


ちゃんと笑顔で「おかえりなさい。」って言うんだ。

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