ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
「記憶喪失……ですか?」
「はい。咲夜くんは頭を打ったことにより一部の記憶がなくなってしまったと考えられます。」
「先生……咲夜の……咲夜の記憶は戻りますよね…?」
記憶喪失……。
さくちゃんママの声…震えてる…。
「わかりません。明日思い出すかも、一週間後に思い出すかも、一生思い出さないかも…それは咲夜くん次第です……。」
「…そう……ですか…。」
「ただ、あの様子だと家族の事は忘れていないようです。……忘れているのは友達や恋人、学校の先生など家族以外に関わりがある人のようです…。」
「…わかりました。」
さくちゃん思い出してくれるかな……?
ううん…。
さくちゃんならきっと…思い出してくれるよね…?
私はさくちゃんを信じよう。
「お母さん、咲夜くんをしっかり支えてあげてくださいね。記憶を失くして一番ショックを受けてるのは咲夜ですから…。」
「はい…。先生、ありがとうございました。」
さくちゃんママは先生との話を終えてさくちゃんの病室に向かっていった。
私はそれから少し経って病室に戻った。