ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
―ガラッ
「あら……陽和ちゃん……。」
さくちゃんママの声に元気がない…。
さくちゃんは寝てしまっている。
「さくちゃんママ……さくちゃんなら……思い出してくれますよね…?
きっと……だい、じょぶ……ですよね?」
「そうね、咲夜なら大丈夫よ。
だって咲夜は陽和ちゃんが大好きなんだもの。」
ふふっとさくちゃんママが微笑んだ。
「私、さくちゃんが思い出してくれるように頑張らなくちゃ…。」
「えぇ、咲夜を支えてあげてね。
陽和ちゃんが隣にいてくれない事がこの子にとって一番辛い事だと思うから。」
「はい…!」
私は帰る前にさくちゃんの手をぎゅっと握った。
「さくちゃん…これからも傍にいてね。
さくちゃんママ、また明日も来ます。」
「ええ、ありがとう。」
そう言葉を交わして私は病室を後にした。