ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
何度でも
その日の帰りは皆でさくちゃんのお見舞いに行った。
―ガラッ
「さくちゃん、来たよ!!」
さくちゃんは私達に気づくと不思議そうな顔をした。
「あれ?お前昨日の……。
そう言えば昨日なんで泣いてたんだ?
もう大丈夫なのか?」
やっぱり……記憶が戻ってることなんてあるわけないか…。
私ってばちょっと期待しちゃってたよ……。
「あ、えと…なんでもないよ!大丈夫!
そう言えばさくちゃん、先生からなんか聞いてる?」
「……あぁ。なんか…悪かったな…。」
「ううん、いいの。さくちゃんは何も悪くないんだから。
私は成瀬 陽和。さくちゃんの幼なじみだよ!」
さくちゃんに自己紹介なんて何か変な感じだなぁ……。
「成瀬…か、……そいつらは?」
「あ、私とさくちゃんと同じクラスの皆だよ!」
「そっか…えっと…ごめん、俺何も覚えてなくて……名前を教えて欲しい。」
「おうっ!今日はそのつもりで咲夜のために来てやったんだぞ!感謝しろ!」
にししっと笑う和希くんはさすがさくちゃんの親友だ。
親友が自分の事を忘れちゃうなんて絶対辛いはずなのに…‥。