ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
「え、?……そんなことでいいのか?」
「そんなことじゃないよ……すっごい嬉しい……。」
さくちゃんに……笑ってみせた。
その笑顔が作り笑いだってことも……
今のさくちゃんは……気づいてくれないでしょ……?
「そっか、んじゃー陽和な!」
その笑顔が大好きなんだ……。
でも、さくちゃんにとってただの幼馴染に戻った私は……
その大好きなさくちゃんの優しい笑顔が……今はちょっとだけ……苦しいんだ……。
彼女なんだよって言いたいよ……。
でも……今の…さくちゃんは言わせてくれないでしょ……?
ごめんね…大好きなのに……
私が一人で勝手に苦しんでるだけなのに、さくちゃんのせいにしてる……自分が嫌い……大ッ嫌い……。
さくちゃん……ごめんね……。
このままここに居たらさくちゃんにまでこの想いをぶつけてしまうかもしれない。
それだけは嫌だった。
さくちゃんにだけは……嫌われたくなかった。
「うん。ありがとう、さくちゃん!」
「おうっ!」
涙が溢れそうになるのを必死で堪える。
「じ、じゃあ…そろそろ帰るね!!」
慌ててイスから立ち上がって病室を出ようとした……
でも…さくちゃんが……そうさせてくれなかった。
「……さくちゃ、ん?」
なんで……?なんで……?
私の頭の中は真っ白で……もう何も考えられなくなっていた。