ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―

戸惑いと涙



*



「…さ、くちゃ……なん‥で……。」



私は震える声でさくちゃんに言った。



さくちゃんは記憶がないはず。


だからさくちゃんにとって私はただの幼馴染に戻ったんだ……。



なのに……どうしてキスなんて……したの……?



「……わかんねぇ。」



わから……ない……?



「な……にそれ……。」


「わりぃ……自分でもよくわかんねぇんだ……体が勝手に……。」



意味わかんないよ。


さくちゃんはいつも私の気持ちを大切にしてくれた。

優しく優しくキスしてくれた。


でも今のは違う……。


なんの気持ちもこもってない。


私の気持ちなんて考えてない……。


ただ体が勝手に動いたからって………なんで……キスが……できるの?


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