ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―



「陽和…‥ごめ「意味……わかんない……。」



私はさくちゃんの言葉を遮った。



「前のさくちゃんはそんなこと絶対にしなかった……!いつも優しくキスしてくれた。私の気持ちを一番に考えて、大切にしてくれたよ…?

こんな…こんなの…優しくもない、なんの気持ちもこもってない!

体が勝手に動いたから…?

なにそれ……さくちゃんは……好きでもない子にそんな事軽々しくするような人じゃない!!!


今のさくちゃんは変だよ!!!


さくちゃんなんて………


さくちゃんなんて大ッ嫌い!!!!!」



私は病室から飛び出した。



さくちゃんが私の名前を呼ぶ声が聞こえたけど、私はそれを無視して走った。


涙が溢れて止まらない。



なんで……なんで……。



『さくちゃんなんて大ッ嫌い!!!!!』



さっき言った言葉が頭の中をぐるぐると駆け回る。



さくちゃんのこと好きなのに………

ただ……大好きなだけなのに…

どうして私は、いつも素直になれないんだろう……。


本当の気持ちが空回りして、大好きな人まで傷付けて……最低だよ‥…。



私が本当に嫌いなのは……


自分勝手な気持ちで大好きな人をいっぱいいっぱい傷付けてる…



自分自身なんだ……。

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