ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
陽和は……俺が気づかないとでも思ってんのか?
俺達は幼馴染なんだろ?
気づかない訳ねぇじゃん。
記憶がなくったって幼馴染なんだ。
些細なことでもすぐに気づくに決まってる。
「じ、じゃあ…そろそろ帰るね!」
突然イスから立ち上がった陽和の顔は酷く傷ついていて、俺の胸は昨日以上に締め付けられた。
なんで……。
なんで俺は…いつも陽和にこんな顔しかさせられないんだ……。
今までより更に歪んだ陽和の表情を見た瞬間、俺の中で何かが切れた。
病室から出て行こうとする陽和の腕を掴み、自分の方に引き寄せた。
俺は……目が覚めた時から、ずっと陽和に惹かれていたのかもしれない。
自分の気持ちに気づくよりも、体の方が先にその気持ちに気づいていた。
自分で考えて動くよりも、体の方が先に動いていた。
俺は自分の体に突き動かされるように…
そのまま陽和に…
キスを…したんだ……。